2009-12-16
秋学期試験終了

昨日で秋学期の試験が終わりました。
Legal Research、Legal Writingについては課題の提出が求められていたが、学期末の試験はなく、残り3科目の試験の準備だけで済んだので、比較的楽だったと思う。

Introduction to US Legal System
外国人留学生であるLLM向けに、米国の司法システムについての基礎知識をつけされるための必修コース。米国憲法史、三権分立と連邦制、人権保障についての制度を概観する内容。成文法の国から来ている学生がほとんどなので、まずコモンロー・判例法システムとはどういうものか、というところから入る。そして、立法権、行政権、司法権、連邦と州の関係について学んでいくのだが、それを判例を通じて学んでいくのが米国司法システムのユニークなところだろう。立法権と行政権の合憲性を司法権が審査する司法審査権は、憲法に明文の根拠はなく、裁判所が(一方的に)判決の中で宣言したことが根拠になっている。ほかにも、合衆国銀行を連邦政府が設立したのを、州政府が憲法上の根拠がなく違憲であるとして訴訟で争うなど、日本やほかの国ではおよそ考えられないことまで訴訟で決着がつくのが米国司法システム。米国人はlitigiousだとよく言われたりするが、国の成り立ちがそもそもそういう性格なんですな。いい悪いではなく、公の場で、両者が主張を尽くして、公平な立場の裁判所が判断して、その積み重ねが法になっていくと。
最終試験は75%が択一式マークシート問題、25%がShort Answerという形式。LLM向けということもあり、授業で教えられていたことに素直な問題が出されていたように思う。

Reviewing and Negotiating Business Contract
ビジネス契約のBoilerplateと呼ばれる定型的な条項についての知識を学ぶとともに、仮設事例を用いて、学生同士で契約条件の交渉を行う演習を行う授業。
最終試験の前の授業で、通常であれば学生が授業と教材のエッセンスをまとめて作成するOutlineを教授から提供されるという親切設計な授業。教授いわく、他の科目の勉強もあって大変だろうから、負担軽減のためだそうな。「Don't overdo it.」やりすぎるな、つまり、この科目に精力を傾けすぎて、他のもっと労力と時間のかかる科目をおろそかにするな、との趣旨らしい。
Quick question & Quick answerというふうに言われたが、実際にどう採点されるのかは成績をあけてみるまではわからない。


Business Organizations
いわゆる会社法の授業だが、Corporationだけでなく、代理法Agencyと、Partnership、LLCも範囲に入っている。Corporationに関連する範囲として、M&AやSecurity Regulationも入っている。ただ、Agency以外はほかに独立のものとしてコースがあることからもわかるとおり、概論的な授業で、深くは突っ込んでいかない。Business Organizationsは、ほかの独立したコースのPrerequisiteとして要求される科目でもある。
4単位の科目で、ケースブックは1,000ページ超で、ボリュームは大きい。
当然、試験の範囲も広い。教授が実務家(弁護士)で、かつ自身がLaw schoolのソクラテス・メソッドで辛い思いをした、ということらしく、学生を質問責めにすることもない。Handoutとしてチャートや事例演習問題を配るなど、わかりやすくする、という工夫を非常にされていた。
最終試験は、100問の択一式マークシートテスト。JD向けの科目なので、多少ひねった問題もあるとはいえ、授業で配った事例演習問題などから来ている問題も多く、正直これで4単位は相当おいしい。といいながら、成績が返ってきて愕然、ということがなければよいが。

これで秋学期は終わりです。今週後半にLegal Writingの課題のフィードバックを受け取れば、もう年明けまで学校に行く必要もありません。

Happy holidays!



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