2009-05-16
なぜ世界は不況に陥ったのか 集中講義・金融危機と経済学

著者はいずれも経済学者。帯には「古い経済思想に囚われている政治家・官僚・ジャーナリストのための『世界標準』の経済学講義。」と銘打たれている。

アメリカ発の金融危機の起こったプロセスを分析。住宅バブルの発生及び崩壊が、きわめて高度かつ複雑に発展していた重層的な市場型金融の仕組みの下で起こったことで、サブプライム問題が金融システム全体に波及した。
日本のバブル崩壊は、伝統的な銀行中心の間接金融体制の下で起こった点で、今回の危機とは大きな違いがある。
金融機関の規制監督体制の見直しが必要。
実体経済面では、アメリカが経常収支の赤字の削減を余儀なくされる一方、日本は経常収支の黒字を削減しなければならない。北米市場に過度に依存した輸出主導型の経済成長パターンはとれなくなる。日本国内での投資機会を増やすような構造改革が必要となる。
日本の真の問題は潜在成長率の低下にあり、今回の金融危機はその問題が表出するきっかけにすぎない。潜在成長率そのものを上げる構造改革が必要。



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